味噌食い化け物の話

以下山家に伝わる民話である。

山家に浦の下という集落がある。

その大きな屋敷にこれまた大きな味噌桶があった。

その味噌桶の味噌を化け物が夜な夜な一粒残らず食らっていったという。

味噌桶の中の味噌は翌日になると一見復活しているように見えるのだが、

表面を割ってみるとパリパリッと乾いた音がして中が空洞になっている。

やはり何者かに味噌が食われていたのだ。

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後日、大根地山から吹き下ろす風が凄まじいある晩のこと、

風がいきなりぱたりとやんで、真っ赤な火の球が飛んでくるのが見えた。

その火の球が屋敷に入るやいなや、止まっていた風が再びごうと吹きだし、

浦の下中を火の海へ包んだという。

火事がおさまったあと、屋敷の柿の木を見ると大きな爪痕が残っていた。

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その後も原因不明の火事が続いたが、山の祠に太郎坊という神をまつったところ

火事はおさまったということである。

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脈絡のない話がつづきますが、筑紫野市のホームページによれば、愛宕山太郎坊信仰、

秋葉神社の伝説、楠木正成の怨霊伝説などが複合的に交わったものだということです。

興味のある分野なのでおりを見て深掘りしたいと思います。

参考文献:山家郷土史話 近藤典二(1945年) 

     ちくしの散歩 山家宿こぼればなし https://www.city.chikushino.fukuoka.jp

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